Uchidashi Hand Formed Iron Hannya Demon Mask

江戸時代後期の明珍流金工の様式を踏襲し、一枚の板金から二本の角を添えた怨霊槌の打ち出し面です。サイズは21.5cm×16cm×7.5cmで 良好な保存状態を保っています。

近代の幕開けとともに、伝統的に甲冑産業に従事していた金属加工職人たちは 銃と制服の時代において、その役割を担う人材が不足していることに気づき、自らの技術革新に着手しました。多くの職人が、武士に武器や甲冑を供給するという仕事から、急成長を遂げた中流階級や輸出市場で出会う外国人コレクターに提供する美術工芸品へと転身しました。鉄、銅、真鍮、銀を手作業で成形する打出工芸は非常に人気が高く、中でも鉄は加工が最も難しいにもかかわらず、この工芸の最高峰とされていました。