Tokkuri by Kanzan Denshichi ー幹山伝七
Tokkuri by Kanzan Denshichi ー幹山伝七
鮮やかな色の花のスプレーで飾られた、幹山伝七による徳利セットで、オリジナルの署名入り木箱に入っています。それぞれの徳利は直径 5.5 cm、高さ 16 cmで状態は良好です。
幹山伝七(1821-1890)は陶磁器の産地である瀬戸に生まれました。彦根藩 井伊家の湖東窯に勤め、1862年に同窯が閉鎖されると京都へ移りました。京都では清水坂のふもとに工房を構え 寺尾伝七と名乗り、京都で磁器を専門に作る最初の陶工の一人と考えられています。明治元年(1868年)、京都府庁に納入する仕事をした後、ゴットフリート・ワーグナーのもとで洋画と陶器の装飾を学びました。その後3年間で製作所を松雲亭と改名し、加藤幹山の名で活動しました。幹山の作品には洋風と和風の両方の磁器の食器があり、鮮やかな色彩の多色刷りと金彩が施されていることが多いです。これらの陶磁器の一部は輸出用に作られ 国際博覧会にも出展し、1878年にはパリで金メダルを獲得しました。1881年、日本を訪問したヴィクトリア女王の孫であるクラレンス公およびアボンデール公アルバート・ヴィクター王子とヨーク公ジョージ王子(ジョージ5世)は、京都の幹山の工房を訪れました。宮内省は、延暦館で使用するための食器や禁裏御用陶器として知られる江戸時代の皇室御用達の青磁風の陶器など、幹山の作品を買い上げました。
幹山の作品は、皇居三の丸尚蔵館(皇室コレクションの博物館)や宮内庁御前宴会部、東京国立博物館、京都府立総合図書室に所蔵されています。ヴィクトリア&アルバート博物館には、1876年のフィラデルフィア百年祭博覧会に展示された花瓶一組、生姜壺一組、その他小品4点が所蔵されています。2014年、三の丸尚蔵館では、観山の工房で有栖川宮威仁親王のために作られた日本風の多色彩のディナーセットの展示会「美しい現代の京焼 - 有栖川宮家に伝わる幹山伝七の名品」を2014年3月21日から6月22日まで開催しました。