Peach Shaped Kogo ー音丸耕堂 "彫漆盒"

人間国宝 音丸耕堂による桃の形をした見事な漆彫り香箱です。オリジナルの銘木箱に収められていて、サイズは 7.5 cm x 7 cm x 4.3 cmで状態は良好です。

音丸 耕堂(1898-1987)は、彫刻の名工として名高い日本の漆芸家です。香川県高松市に生まれ、1910年に石井敬堂に入門。1914年からは讃岐漆芸の先駆者・玉楮象谷の作品を独学で学びました。1921年には金工 大須賀喬らと美術団体 "光風会" を結成し、展覧会に積極的に参加しました。1932年に帝展に初入選して評価を高め、以後も定期的に展覧会に出品しました。1942年には第5回新文部省美術展で彫漆作品 "月花文化粧箱" が特選を受賞し、高松市美術館に所蔵されています。音丸の作品は、革新的な豊かな色彩の使用により他とは一線を画しています。伝統的な漆器は主に朱、黒、黄、緑、茶色を使用していましたが、音丸は新しい顔料を導入してより幅広い色調を実現し、デザインの表現力を高めました。日本の工芸への貢献が認められ、音丸は1955年に彫漆部門で重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されました。同年、音丸は日本工芸会の設立に重要な役割を果たし、日本の伝統工芸の発展にさらなる影響を与えました。