Neriage Tsubo by LNT ー松井 康成 “練上華文壷”
Neriage Tsubo by LNT ー松井 康成 “練上華文壷”
Item Code: MC1755
受取状況を読み込めませんでした
人間国宝・松井康成による極めて優れた練上作品です。「練上華文壺」と題された共箱に収められています。ほぼ球体に近いふくよかなフォルムの表面には、彼が異なる色の粘土を緻密に操ることで描き出した溢れんばかりの花々が密に咲き誇っています。白、淡いグレー、チャコールの粘土の層が個々の花へと開き、それぞれの花は渦巻く筋模様に囲まれ隣り合う花々と判別がつかないほど滑らかに融合しています。中心部に施されたわずかな金彩がクールなモノクロームの表面に控えめな温かみを与えています。この花文は器の表面に後から描き加えられた装飾ではなく、積層された粘土そのものから浮かび上がったものであり練上技法が本来持つ地質学的な質感はそのままに、この技法を非常に絵画的な表現へと昇華させています。無釉の広い高台からはこの複雑な表面が形成されるに至った土の層を垣間見ることができます。直径23.5cm、高さ20.5cmで 極めて良好な状態です。
ジャパン・タイムズ紙は「人間国宝に認定された松井康成は 伝統的な技法と自身の創造性を融合させ、美しい陶芸作品を制作した」と評しました。松井康成は1927年に長野県に生まれました。深い精神性を備えた人物であり、1957年に明治大学文学部を卒業後 仏門に入り、僧侶としての隠遁生活に身を置きました。3年後には笠間の月崇寺の住職となりました。そこで窯を築き、練上を含む古代中国や朝鮮の技法を研究しました。技術を深めるために後の人間国宝である田村耕一に師事し、60年代後半から本格的に公募展への出品を開始しました。1970年の日本伝統工芸新作展で初入選を果たし、その後同展で複数回受賞を重ねた後、2年後には日本伝統工芸展で、1973年には日本陶芸展で受賞。その直後の1974年には重要な日本陶磁協会賞を受賞しました。そのキャリアを通して高く評価され、1988年の紫綬褒章や1990年の日本陶磁協会賞金賞など、多くの栄誉に浴しました。1993年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、2003年に逝去する3年前には勲三等瑞宝章を授与されました。その作品はニューヨーク・メトロポリタン美術館、ブルックリン美術館、ミネアポリス美術館、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館、セントルイス美術館、広島県立美術館、シカゴ美術館など、数多くの著名な美術館に収蔵されています。詳細については『Japanese Ceramics in American Collections』(フレデリック・ベークランド著, 1993)、『陶』第89号(1993)、『Japanese Studio Crafts: Tradition and the Avant-garde』(ルパート・フォークナー著)、『Japanese Ceramics for the Twenty-first Century』(2014)をご参照ください。
共有
