"Memory" ーCeramic Sculpture

2020年に制作された山口美音による陶器の彫刻です。茎と生の粘土の貝殻部分に緑色の釉薬が塗られています。高さは61.5cmあります。アーティスト直筆のサイン入り木板が付属しています。

山口美音 ー1992年愛知県生まれ。2017年に愛知教育大学現代学芸課程造形文化コースを卒業。在学中に女流陶芸十人展(2014年)に入選。2016年には第3回金沢·世界工芸トリエンナーレ入選。第50回女流陶芸家協会展知事賞受賞。2017年には第11回国際陶芸コンクール美濃入選。教員に就くも、創作意欲が抑えられず多治見市窯業研究所に入学し、2020年に卒業。現在は、シカゴ美術館に作品が展示されており 同展カタログ "Radical Clay" の表紙を飾りました。

美音曰く「蜂の巣や珊瑚の表面など、自然界の反復に対する私の興味は 私が周囲の世界を消費し吸収するにつれて、私の作品に現れているように感じます。これらの作品は、私の手で作られた自然の形であると信じたいです。粘土を成形するとき、私の身体と意識が素材と自然界に溶け合い、結びつくような感覚があります。一つ一つのコイルの上に積み上げ、一つ一つ手で折り目を付けていくプロセスは、一種の瞑想です。この反復プロセスを通じて、自由に生きたいという欲求と社会の期待からのプレッシャーに屈する私の間で揺れ動く葛藤など、その時の私の考えをテクスチャで表現できるようにしたいのです。表面に残った指紋を観察し、粘土に私の存在の痕跡を見ると、心が落ち着きます。これらの作品は、私が周囲から吸収したものの産物です。」