Exhibited Contemporary Cloisonne Mizusashi ー柴田 明 "有線七宝抽象文水指"

抹茶の湯に用いる水差しとして、柴田 明が制作した四角い蓋付き器です。縁に向かって紫の釉薬と金線で渦巻き模様が浮かび上がります。2012年の第59回日本伝統工芸展に出品され、「有線七宝抽象文水指」と題された当時の銘木箱に収められています。同年のカタログ164ページ、図590に掲載されています。大きさは14cm四方、高さは21cmで 状態は良好です。

柴田 明は1942年 三重県四日市市に生まれました。愛知県立 瀬戸窯業高等学校を卒業後、創業1880年、50年以上にわたり伝統と現代の七宝技法を継承する安藤七宝製作所に入社しました。作品は「有線七宝」と呼ばれる技法を用い、デザイン、素地加工、文様付け、施釉、焼成、研磨など、多くの工程を自ら手掛けます。熟練の技と経験を要する、まさに達人技と言えるでしょう。1970年(昭和45年)より日本伝統工芸展に入選、受賞、審査員を務めるなど、日本を代表する七宝作家として広く認められています。