Bronze Shishi Okimono ー山本 純民

台座に山本純民の署名が入った、勇ましいポーズをとる神話上の獅子の白青銅像です。作者は おそらくこの作品が作られた1920年代後半から30年代にかけて非常に人気があった白青銅を選びました。しかし、彼は より高価な富の誇示(当時は白銅だった)を隠すために、非常に日本的な方法で黒の仕上げも選択し、下側からしか見えないようにしました。像のサイズは 16 x 10 x 17 cmで 状態は良好です。

山本 純民(1882-1962)は 東京芸術大学で朝倉文夫に師事し、金工技術を学びました。古都奈良に住み、昭和初期まで江戸銅器の伝統を受け継ぎながら アール・デコの思想や革新を作品に取り入れた、当代屈指の金工作家でした。戦前には帝展・文展に何度も作品が出品され、戦後は日展にも出品されました。京都国立近代美術館には、この重要な銅器作家の作品が2点所蔵されているほか、光の谷金属美術館にも所蔵されています。