中川 自然坊

中川 自然坊 (1953-2011)は、佐賀県有浦町の海辺の村で健一として生まれ、シングルマザーの家庭で貧しい家庭に育ちました。製薬会社に短期間勤務した後、陶芸の道に進み、1977年に井上陶也、後に田中佐次郎に師事しました。1982年には自ら竹割りの登り窯を築き、独立して制作活動を開始。鉄分を多く含む赤土と厚手の白泥を用いた独特の刷毛目作風を確立しました。1985年、黒田宗真氏主催の初個展を開催し、輝かしい作家としてのキャリアをスタートさせました。

1990年代初頭までに、中川は自宅兼ギャラリー、工房、そして弟子のための寮を備えた本格的なアトリエ施設を設立しました。2000年には奥高麗焼の復興に着手し、茶陶と繊細な造形へのこだわりを一層深めました。展覧会、NHKの特集番組、そして全国各地での個展などを通して、彼の作品は全国的に高い評価を得、2006年には渋谷黒田陶苑で20回目の個展を開催しました。

病に伏しながらも中川は精力的に活動を続け、2011年には30周年を記念した記念碑的な作品を制作し、弟子たちと共に野心的なハイブリッド窯を完成させました。そして2011年12月、58歳でこの世を去りました。不屈の精神、火の技巧、そして土の持つ変化の力によって形作られた、まさに伝説的な作品を残したのです。

Nakagawa Jinenbo 中川 自然坊

アーティストによる作品