Miyashita Zenji 宮下 善爾
宮下善爾(1939-2012)は、陶芸家・宮下善寿の家系に生まれ、清水九兵衛と楠部彌一の下で京都市立美術大学を卒業した。極めて難しいとされる、形と焼成の極限のコントロールが要求される青磁から作品作りを始めた。1964年から日展に出品を始め、18回の賞を受賞。サックラー美術館(彼の作品を6点所蔵)によれば、「彼の成熟した作品は、平安時代(794–1185)に関連する古典的な京都様式の現代的に具現化している。彼は、上絵や釉薬ではなく鉱物顔料で染色した粘土を用いて、宮廷の衣装の重なりや詩を書き記すための装飾紙を思わせる繊細な色の層を適用した。」と評価されている。彼の作品は、前述のフリーア・サックラー美術館のほか、大英博物館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ブルックリン美術館、ミネアポリス美術館、ヒューストン美術館、そして京都と東京の国立近代美術館など、多くの著名な美術館に所蔵されている。