古谷 博文
古谷 博文(1948年生まれ)は、信楽焼の真髄を体現する陶工であり、幼少より父のもとで修行を積み、伝統と暗黙知の両方を受け継いでいます。卒業後は、大規模な窯元で窯焼きの技術と土作りを習得した後、家業の窯に戻りました。そこでは、長寿の父が土作りに専心する間、古谷は土作りと窯仕事の責任を担うという、日本的な敬虔さを重んじる姿勢が見て取れます。まさに「縁の下の力持ち」という言葉が、その役割を的確に表現しています。
父の逝去から十余年、古谷は土と炎、そして自然との対話から生まれる自然現象を、日々静かに追い求め続けている。練り、仕込み、積重ね、窯焚きを自ら指揮し、息子に前線を任せつつ自らも作品を作り続ける。競争や称賛を排し、謙虚さと覚悟をもって陶芸に打ち込み、無名の職人の道を歩み続けている。