竹渓の風景画 ー中林竹溪「山水図」
竹渓の風景画 ー中林竹溪「山水図」
Item Code: L013
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中林竹渓によるこの掛軸は、父・中林竹人から受け継いだ叙情的な南画の様式で、山本梅津に師事し、さらに磨きをかけた作品です。竹渓は、淡い岩絵具を添えた柔らかな水墨のタッチで、切り立った崖、曲がりくねった小道、そして密集した松林からなる雄大な山峡を描き出しています。画面中央には滝が流れ落ち、視線を下に導くように、小舟に座る学者が川岸を静かに漂う姿が描かれています。これは、洗練された隠遁生活と詩情あふれる旅の象徴です。竹渓独特の筆致は、岩のリズミカルな筆致、繊細に伸びる樹木、そして風景を統一する温かみのあるバラ色のアクセントに表れています。この作品は、彼が創作活動において培った洗練された京都南画の美学を体現するとともに、日根野泰山や吉田古今といった同時代の文人たちとの深い交流を反映しています。縦長の構図にもかかわらず、風景画は穏やかで自然な連続性を保ちながら展開し、観る者を瞑想に耽るような静寂の小道を彷徨うように誘います。オリーブ色の絹の縁取りに、青いサテンのパイピングが施され、先端は木製のローラーで留められています。これは明朝体として知られる表装様式で、19世紀、特に文人画家や収集家の間で非常に人気がありました。本図は43.5 x 215 cm(17 x 85インチ)です。19世紀のオリジナルの表装のままですが、同じ布を用いて再表装可能です。下から少し上方に折れ目があり、署名の隣にはかすかな水染みがあり、上部の空には修復された穴や擦り傷がいくつかあります。
中林竹渓(1816-1867)は、ナニャ派の著名な画家である中林竹東の息子として生まれました。父であり当時山本梅津に師事し、両様式を融合させた独自の技法を確立しました。京都に居住し、制作活動を行い、日根野泰山や吉田古今と交流しました。竹渓の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館(ブルックリン)、ロサンゼルスのLACMA(インディアナポリス)、スペンサー美術館、オーストラリアのニューサウスウェールズ州立美術館(ホノルル)、フリーア・サックラーなどに所蔵されており、クリスティーズやボナムズといった国際的なオークションハウスでも高値で取引されています。
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