Antique Japanese Arrow Basket ー前田 竹房斎 "時代矢竹製 花籃"

初代 前田 竹房斎が使用済みの割竹矢を用いて制作した傑作籠です。昭和5年(1930年)の銘木箱「時代矢竹製 花籃」に収められています。赤や金の漆の痕跡から竹の柄の由来が伺え、この稀少な作家の籠の中でも特に希少な逸品の一つとなっています。直径約19cm、高さ約49cmでオリジナルの状態を保っており、大変良好な状態を保っています。

初代 前田 竹房斎 (1872-1950)は 20世紀前半に活躍した最も重要な竹工芸家の一人であり、竹工芸における個性的な表現の振興に大きく貢献しました。関西地方出身で大阪府堺市を拠点に活動しました。初代 和田 和一斎(1851-1901)に師事し、1912年からは初代 田辺 竹雲斎(1877-1937)と共に活動しました。大正時代後期(1912-1926)には、皇室御用達の献上籠を制作しました。特に竹房斎の竹製花籠は、その精巧な職人技と優美なデザインで広く称賛されました。彼は様々な編み方を試み複雑な模様や質感を取り入れることで、機能性と装飾性を兼ね備えた視覚的にも美しい作品を生み出しました。