タカハシ アオイ

高橋葵は1999年宮城県生まれ。2022年に筑波大学工芸科を卒業後、多治見陶芸デザイン研究所に入学し、2025年に同研究所専攻科を修了。2023年には名古屋髙島屋、2024年には東京日本橋髙島屋で開催された「新風 ― デザインと表現」展に作品が出展。2024年には台北の鶯歌陶磁博物館で開催される台湾陶磁ビエンナーレのファイナリストに選出された。「growing」の作品は、手作業で作られた房で覆われている。ねじれた房の体は毛皮や魚の群れのように流れ、数ヶ月にわたって土をねじり、貼り合わせるという行為を繰り返した痕跡である。この行為に戸惑い、苦しみ、疲れを感じる。思考を放棄してリラックスしたくなる。しかし、それは続く。そして、続けなければならない。これは日常生活と似ている。私たちは他者との関わりによって成立する世界に生き、言葉や行動を通して多くの考えや感情を伝えています。しかし、内面の伝わり方は受け手によって異なり、コントロールできない部分も少なくありません。純粋に自分を表現するにはあまりにも長いプロセスであり、特に言葉は虚栄心や欲望に染まってしまうものです。だからこそ、私は自らの虚栄心や未熟さを認め、浮かんでくる思考や感情を繰り返しの動作で反芻することで、今生きているという現実感を掴み取りたいのです。膨大な数の房飾りで身体を覆うことに費やした時間は、作品の中に宿り、そこに残っています。私は「真実」であったという証を創っているのです。私は自分のためだけに作品を制作しますが、作品を見る人にとって、作品が思考の出発点となることを願っています。人生は同じ日の繰り返しかもしれません。そして、その終わりはどこにあるのか、私たちは知らないのです。明日がどうなるかは分かりませんが、それでも私たちはたいてい、また一日を過ごしにやって来ます。日々を淡々と過ごしていれば、生き延びるという意味では生き延びるかもしれない。でも、それは生きているということではなく、ただ死んでいないということ。日々感じる痛みや苦しみを、恐れることなく受け入れ、今この瞬間を生きている時間として生きていきたい。
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展覧会「いぶき」デジタルカタログにも参加