コレクション: 絵画(Painting)
日本の絵画は、用途や素材、文化的背景の異なる多様な形式を通して、長い歴史の中で表現されてきました。それぞれの形式は独自の役割を持ち、空間や儀礼、物語、日常生活と深く結びついています。
屏風・襖:
折り畳み式の屏風や襖絵は、室内空間を仕切り、場の雰囲気を形づくるために用いられてきました。広い画面には、雄大な山水、四季の情景、大胆な装飾的構図が描かれ、空間全体の印象を左右する重要な役割を果たしました。
掛軸:
季節や行事に応じて掛け替えることができる掛軸は、絵画や書を縦長の独立した構成として鑑賞する形式です。表装に用いられる裂地は作品を引き立てると同時に、保護の役割も担っています。
絵巻・絵本・画帖:
絵巻や折本、冊子形式の画帖は、物語絵や絵手本、主題ごとの連作を制作するための形式として発展しました。文字と絵が一体となったこれらの作品は、鑑賞や学習の対象として親しまれてきました。掛軸とは異なり、横長の絵巻を少しずつ繰り広げたり、画帖を一頁ずつ手でめくる行為は、見る者を作品の内側へと誘い、絵画・書・物語がリズミカルに展開する親密な鑑賞体験を生み出します。
版画(木版画ほか):
商業的に制作された木版画は、日本の視覚文化を大きく変え、広範な人々にイメージを届けました。歌舞伎役者や遊女、名所風景、花鳥画、挿絵本など、多彩な主題が描かれました。
額装作品:
歴史的には掛軸ほど一般的ではありませんでしたが、江戸後期から明治期にかけて、西洋の影響を受けて額装作品が増えていきました。紙や絹に描かれた絵画のほか、板絵や西洋の油彩画なども含まれます。
油彩画・水彩画:
油彩画は16世紀後半にヨーロッパの宣教師によって日本にもたらされましたが、本格的に普及したのは明治期(1868–1912)に西洋美術教育が導入されてからです。19世紀後半には、黒田清輝らによって外光表現や印象主義の影響を受けた洋画が確立され、日本画と並ぶ近代日本美術の二本柱を形成しました。
特殊素材への絵画:
日本の画家たちは、木、ガラス、提灯、陶磁器など、さまざまな素材に応じた表現にも取り組んできました。裏絵ガラス、扇面画、板戸絵、絵馬、装飾陶器など、その例は多岐にわたります。
これら多様な形式は、建築、儀礼、物語、商業、そして日常生活に寄り添いながら発展してきた日本絵画の柔軟性を示しています。鑑賞者は、親密に、儀礼的に、あるいは装飾として、さまざまなかたちで絵画と向き合うことができます。
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